児童発達支援の基本報酬は、事業所の類型(児童発達支援センターかどうか)、時間区分、医療的ケア区分、利用定員の組み合わせで単位数が決まります。センター以外の事業所では、これに「主に未就学児かどうか」が加わります。算定要件のうち、区分の判定を誤ると毎日の請求すべてに影響するため、加算より先に押さえておきたい部分です。

この記事では、児童発達支援に固有の区分の決まり方と単位数、令和8年度改定で新規指定事業所に適用される特例を整理します。

この記事は令和8年度(2026年6月施行の改定を反映、2026年11月時点)の告示・通知・Q&Aに基づいています。

児童発達支援給付費の5つの類型

区分 対象 単位数を決める要素 届出先
イ 児童発達支援センター 時間区分・医療的ケア区分・利用定員(7区分) 都道府県知事
ロ センター以外の事業所 時間区分・未就学児かどうか・医療的ケア区分・利用定員(3区分) 都道府県知事
ハ 主として重症心身障害児を通わせる事業所 利用定員(3区分) 都道府県知事
ニ 共生型児童発達支援 一律682単位 都道府県知事
ホ 基準該当児童発達支援 (Ⅰ)793単位/(Ⅱ)682単位 市町村長

届出先の「都道府県知事」は、指定都市と児童相談所設置市では市長です。いずれも1日につき算定します。地方公共団体が設置するセンターは、所定単位数の1000分の965で算定します。

時間区分があるのはイとロだけです。ハ・ニ・ホに時間区分はありませんが、支援の提供時間を30分以上とし、個別支援計画に定めることは同じように求められます(令和6年度Q&A VOL.1 問6)。

時間区分は「計画に定めた標準的な時間」で決まる

時間区分 提供時間
時間区分1 30分以上1時間30分以下
時間区分2 1時間30分超3時間以下
時間区分3 3時間超5時間以下

判定に使うのは、その日に現に要した時間ではありません。児童発達支援計画に位置付けた支援を行うのに要する標準的な時間です(告示 注2の5)。

  • 計画には「時間区分2」ではなく「2時間30分」のように具体的な時間を書きます(令和6年度Q&A VOL.1 問5)
  • 送迎の時間は提供時間に含めません(同 問2)
  • 計画に提供時間の定めがない日は、時間区分1で算定します(同 問4)
  • 30分未満の支援は、周囲の環境に慣れるためなどの理由で必要と市町村が認めた場合に限り算定できます(告示 注2の6)
  • 5時間を超える部分は、基本報酬ではなく延長支援加算で評価します

計画と実際の時間がずれた日

状況 算定する時間区分
保護者の都合で早く帰った 計画に定めた時間の区分(30分未満でも算定可)
職員の欠勤など事業所の都合で短くした 実際に要した時間の区分(30分未満は算定不可)
実際の時間が計画より長くなった 原則として計画に定めた時間の区分

ずれが1か月の利用で恒常的に続く場合は、速やかに計画を見直します。実際に要した時間は、日々のサービス提供記録に残します(令和6年度Q&A VOL.1 問3)。

単位数① 児童発達支援センター(区分イ)

医療的ケア区分に該当しないお子さんの単位数です(1日につき)。

利用定員 時間区分1 時間区分2 時間区分3
30人以下 1,104 1,131 1,184
31〜40人 1,029 1,053 1,102
41〜50人 959 981 1,027
51〜60人 893 913 955
61〜70人 866 886 926
71〜80人 841 861 900
81人以上 817 836 874

センターは定員の区分が7段階と細かく、定員が大きくなるほど1人あたりの単位数が下がります。

単位数② センター以外の事業所(区分ロ)

医療的ケア区分に該当しないお子さんの単位数です(1日につき)。

就学の状況 利用定員 時間区分1 時間区分2 時間区分3
主に未就学児 10人以下 901 928 980
主に未就学児 11〜20人 652 671 707
主に未就学児 21人以上 536 551 580
それ以外 10人以下 781 804 849
それ以外 11〜20人 561 576 607
それ以外 21人以上 461 473 497

定員10人以下・時間区分1で比べると、「主に未就学児」かどうかで1日120単位の差があります。

「主に未就学児」の判定

センター以外の事業所で「主に未就学児」の単位数を使うには、小学校就学前のお子さんの割合が70%以上である必要があります(留意事項通知 第二の2(1)①(七))。

  • 前年度(4月〜3月)の延べ利用人数で計算します。割合は小数点第2位以下を切り上げます
  • 多機能型事業所は、児童発達支援の報酬を算定したお子さんの延べ利用人数だけで計算します
  • 新設や増改築で前年度の実績が1年未満の場合、開始から3月未満は在籍者数(契約者数)に占める割合で、3月以上1年未満は開始後3月の延べ利用人数で判定します

毎年度、4月の請求前に前年度の実績で判定をやり直します。70%を下回ると、定員10人以下・時間区分1では901単位から781単位になります。

医療的ケア区分(区分1〜3)

医療的ケアスコア(基本スコアと見守りスコアの合計)が3点以上のお子さんに、看護職員を配置して医療的ケアを行った場合、医療的ケア区分の単位数で算定します。

医療的ケア区分 スコア 看護職員の配置 センター(定員30人以下・時間区分1) センター以外(主に未就学児・定員10人以下・時間区分1)
区分3 32点以上 1人につきおおむね1名 3,136 2,933
区分2 16点以上 2人につきおおむね1名 2,120 1,917
区分1 3点以上 3人につきおおむね1名 1,782 1,579
該当なし ― ― 1,104 901

他の定員・時間区分の単位数は告示の表で確認してください。

看護職員の配置は月単位の延べ人数で判定します。月の配置延べ人数が必要数以上なら、その月の利用日すべてで医療的ケア区分の単位数を算定できます。下回る場合は、最も下回っている日を計算から除外でき、除外した日に利用したお子さんだけが医療的ケア区分によらない単位数になります(留意事項通知 第二の1(4の2)③)。

主として重症心身障害児を通わせる事業所(区分ハ)

利用定員 単位数(1日につき)
5〜7人 2,131
8〜10人 1,347
11人以上 850

令和8年6月以降の新規指定事業所は1000分の988

令和8年6月1日以降に新しく指定を受けて事業を始めた児童発達支援事業所は、所定単位数に代えて、その1000分の988で算定します(告示 第1の1 注12)。児童発達支援固有の点は次のとおりです。

  • 対象はイ(センター)とロ(センター以外)です。センターも対象に含まれます
  • ハ(主として重症心身障害児を通わせる事業所)は対象外です。共生型・基準該当も、令和8年6月以降の新規指定であっても適用しません(令和8年度Q&A VOL.1 問16)
  • 1000分の988を掛けるのは、加算を足す前の基本報酬だけです
  • 月に1日以上、医療的ケア区分1〜3の基本報酬、強度行動障害児支援加算、人工内耳装用児支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算のいずれかを算定したお子さんは、その月は所定単位数で算定します(判定はお子さん単位。同 問8〜問10)
  • 離島・中山間地域など国が定める地域にある事業所と、都道府県の公募や自治体の開設補助で設置されたことが客観的に明らかな事業所も対象外です

新規指定に当たるかどうかの補足

ケース 特例の扱い
事業譲渡・吸収合併などで、指定手続の簡略化や報酬上の実績の通算をした 対象外(同 問12)
従たる事業所の追加、単位の追加、定員の増加 新規指定ではないため対象外(同 問13)
既存事業所が多機能型として、令和8年6月以降に新しいサービスの指定を加えた 新しく指定を受けたサービスだけが対象(同 問17)
令和8年6月以降、新たに多機能型として指定を受けた 該当するサービスすべてが対象(同 問17)
多機能型から分離して別の場所で運営する 新設分割に当たれば、問12と同じ扱い(令和8年度Q&A VOL.2 問1)
(旧)医療型児童発達支援が、令和8年6月以降に児童発達支援へ移行して新規指定を受けた 適用しない(令和8年度Q&A VOL.1 問18)

端数処理

割合を掛けるたびに小数点以下を四捨五入します(留意事項通知 第一の1(1)①)。

  • センター以外・主に未就学児・定員10人以下・時間区分1:901 × 988/1000 = 890.188 → 890単位
  • センター・定員30人以下・時間区分1:1,104 × 988/1000 = 1,090.752 → 1,091単位

届出

単位数が増える届出は、毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月から算定できます。令和8年6月以降に指定を受ける事業所は、改めて令和8年6月からの基本報酬の算定区分の届出を行うこととされています(留意事項通知 第一の1(4))。対象となる事業所の範囲や様式は、指定権者に確認してください。

試算例(既存事業所の場合)

センター以外、主に未就学児、定員10人、月22日営業、平均利用率85%(延べ187人日)、医療的ケア区分に該当しないお子さんだけと仮定します。1単位10円で計算します。

前提 単位数 月の基本報酬
既存事業所・時間区分1 901 901 × 187 × 10円 = 1,684,870円
既存事業所・時間区分2 928 928 × 187 × 10円 = 1,735,360円
令和8年6月以降の新規指定・時間区分1 890 890 × 187 × 10円 = 1,664,300円

新規指定の場合、同じ条件で月2万円ほど少なくなります。1単位の単価は地域区分で変わり、センター以外は10円から最大11.20円、センターは最大11.24円、主として重症心身障害児を通わせる事業所は最大11.52円です。

時間区分は、収入から逆算して決めるものではありません。お子さんごとのアセスメントで支援内容を決め、それに要する時間を計画に書きます。

よくある間違い5つ

  1. 計画に「時間区分2」とだけ書いている。 「2時間30分」など具体的な時間が必要です
  2. 送迎の時間を提供時間に含めている。 含めません
  3. 事業所の都合で短くした日も、計画の時間区分で請求している。 実際の時間の区分になります
  4. 未就学児の割合を年度ごとに判定し直していない。 前年度実績で毎年判定します
  5. 看護職員の月の配置延べ人数を集計していない。 医療的ケア区分の単位数を算定できるかが、月単位で決まります

まとめ

  • センター(定員7区分)とセンター以外(未就学児かどうか×定員3区分)で表が分かれる
  • 時間区分は計画に定めた標準的な時間で判定。具体的な時間を書き、送迎は含めない
  • 「主に未就学児」は前年度の延べ利用人数で70%以上。毎年度判定する
  • 医療的ケア区分は看護職員の配置を月単位で確認する
  • 令和8年6月以降の新規指定は、センターを含めて1000分の988。対象外のケースと配慮措置を確認する

届出の様式や時期、新規指定に当たるかどうかの判断は、指定権者によって運用が異なる場合があります。事前に所管の指定権者へご確認ください。