放課後等デイサービスの基本報酬は、4つの給付費区分のどれに当たるかで単位数の決まり方が変わります。通常の事業所(区分イ)は、時間区分・医療的ケア区分・利用定員の組み合わせで決まり、それ以外の区分は「授業終了後か休業日か」で決まります。算定要件の土台になる部分なので、まず自事業所の区分と、平日・休業日それぞれで使える時間区分を確かめておきます。

この記事では、放課後等デイサービスに固有の区分の決まり方と単位数、令和8年度改定で新規指定事業所に適用される特例を整理します。

この記事は令和8年度(2026年6月施行の改定を反映、2026年11月時点)の告示・通知・Q&Aに基づいています。

放課後等デイサービス給付費の4つの区分

区分 対象 単位数を決める要素 届出先
イ 通常の指定放課後等デイサービス事業所 時間区分・医療的ケア区分・利用定員 都道府県知事
ロ 主として重症心身障害児を通わせる事業所(重症心身障害児への支援) 授業終了後/休業日・利用定員 都道府県知事
ハ 共生型放課後等デイサービス 授業終了後/休業日 都道府県知事
ニ 基準該当放課後等デイサービス((Ⅰ)(Ⅱ)) 授業終了後/休業日 市町村長

時間区分があるのは区分イだけです。ロ・ハ・ニは、令和6年度改定の前と同じく、授業終了後と休業日で単位数が分かれます。いずれも1日につき算定します。

区分イの時間区分:授業終了後と休業日で使える範囲が違う

時間区分 提供時間 授業終了後(平日) 休業日
時間区分1 30分以上1時間30分以下 算定できる 算定できる
時間区分2 1時間30分超3時間以下 算定できる 算定できる
時間区分3 3時間超5時間以下 算定できない 算定できる

時間区分3は休業日に限られます(告示 第3の1 注1の2)。授業終了後に基本報酬で評価される提供時間は3時間まで、休業日は5時間までです。平日に3時間を超える支援が必要なお子さんは、計画に「基本報酬の支援3時間+延長支援」と位置付け、超える部分を延長支援加算で評価します(告示 第3の10 注1)。

時間区分の判定は、現に要した時間ではなく、放課後等デイサービス計画に位置付けた支援に要する標準的な時間で行います(告示 注2の4)。

  • 計画には「2時間30分」のように具体的な時間を書きます(令和6年度Q&A VOL.1 問5)
  • 送迎の時間は含めません(同 問2)。学校への迎えに時間がかかる事業所ほど、提供時間との区別に注意が必要です
  • 学校の授業の延長や道路の渋滞など、事業所に起因しない事情で短くなった日は、計画の時間の区分で算定できます。事業所の都合で短くした日は、実際の時間の区分です(同 問3)
  • 計画に提供時間の定めがない日は、時間区分1で算定します(同 問4)
  • 30分未満の支援は、必要と市町村が認めた場合に限り算定できます(告示 注3)

単位数① 区分イ・医療的ケア区分に該当しない場合

利用定員 時間区分1 時間区分2 時間区分3(休業日のみ)
10人以下 574 609 666
11〜20人 382 406 443
21人以上 287 305 343

定員は運営規程に定める利用定員です。多機能型事業所は、人員の特例(指定通所基準第80条)を使う場合は各サービスの利用定員の合計で、使わない場合はサービスごとの定員で判定します(留意事項通知 第二の1(4)②③)。

単位数② 区分イ・医療的ケア区分1〜3

医療的ケアスコア(基本スコアと見守りスコアの合計)が3点以上のお子さんに、看護職員を配置して医療的ケアを行った場合の単位数です。

医療的ケア区分 スコア 看護職員の配置 利用定員 時間区分1 時間区分2 時間区分3(休業日のみ)
区分3 32点以上 1人につきおおむね1名 10人以下 2,591 2,627 2,683
区分3 32点以上 1人につきおおむね1名 11〜20人 2,399 2,423 2,461
区分3 32点以上 1人につきおおむね1名 21人以上 2,304 2,322 2,361
区分2 16点以上 2人につきおおむね1名 10人以下 1,583 1,618 1,674
区分2 16点以上 2人につきおおむね1名 11〜20人 1,391 1,414 1,452
区分2 16点以上 2人につきおおむね1名 21人以上 1,296 1,313 1,352
区分1 3点以上 3人につきおおむね1名 10人以下 1,247 1,282 1,339
区分1 3点以上 3人につきおおむね1名 11〜20人 1,055 1,078 1,116
区分1 3点以上 3人につきおおむね1名 21人以上 960 977 1,016

看護職員の配置は、月単位の延べ人数で判定します。下回った月は、最も下回っている日を計算から除外でき、除外した日に利用したお子さんだけが医療的ケア区分によらない単位数になります(留意事項通知 第二の1(4の2)③)。児童指導員・保育士の員数に含めている看護職員は、この人数に数えられません。

単位数③ 区分ロ・ハ・ニ(授業終了後/休業日)

区分 利用定員 授業終了後 休業日
ロ 主として重症心身障害児 5〜7人 1,771 2,056
ロ 主として重症心身障害児 8〜10人 1,118 1,299
ロ 主として重症心身障害児 11人以上 692 817
ハ 共生型 ― 430 507
ニ 基準該当(Ⅰ) ― 534 602
ニ 基準該当(Ⅱ) ― 430 507

休業日の開所時間減算

運営規程に定める営業時間が6時間未満の場合、休業日の基本報酬が減算されます。4時間未満は100分の70、4時間以上6時間未満は100分の85です。区分イでは休業日の算定に限って適用され、授業終了後には適用されません(告示 注5)。営業時間には、送迎だけを行う時間は含みません。

令和8年6月以降の新規指定事業所は1000分の982

令和8年6月1日以降に新しく指定を受けて事業を始めた放課後等デイサービス事業所は、所定単位数に代えて、区分イの単位数の1000分の982で算定します(告示 第3の1 注11)。1000分の982を掛けるのは、加算を足す前の基本報酬だけです。

対象にならない事業所

  • 共生型(ハ)と基準該当(ニ):告示注11は「イに掲げる単位数」についての規定で、ハとニは含まれていません。令和8年度Q&A VOL.1 問16も、共生型・基準該当は令和8年6月以降の新規指定申請であっても応急的な報酬単価を適用しないとしています
  • 主として重症心身障害児を通わせる事業所(事業所全体が対象外。同 問10)
  • 離島・中山間地域など国が定める地域に主たる事業所がある事業所
  • 都道府県の公募でサービス不足地域に設置された事業所、自治体から開設時の補助などを受けて設置された事業所

従前の単価で算定するお子さん

当該月に1日以上、次のいずれかを算定したお子さんは、その月は所定単位数で算定します。判定はお子さん単位で、事業所全体には広がりません(同 問8〜問10)。

  • 医療的ケア区分1〜3の基本報酬
  • 強度行動障害児支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)
  • 人工内耳装用児支援加算
  • 視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算

合併・分割・多機能型などの扱い

ケース 特例の扱い
法人の合併・分割・事業譲渡などで、実質的に継続して運営されると都道府県知事に認められた 既存事業所と同じく所定単位数(留意事項通知 第二の2(3)①(五)エ)
事業譲渡・吸収合併などで、指定手続の簡略化や報酬上の実績の通算をした 対象外(令和8年度Q&A VOL.1 問12)
従たる事業所の追加、単位の追加、定員の増加 新規指定ではないため対象外(同 問13)
既存事業所が多機能型として、令和8年6月以降に新しいサービスの指定を加えた 新しく指定を受けたサービスだけが対象(同 問17)
令和8年6月以降、新たに多機能型として指定を受けた 該当するサービスすべてが対象(同 問17)
多機能型から分離して別の場所で運営し、新規指定を受ける 新設分割に当たれば、問12と同じ扱い(令和8年度Q&A VOL.2 問1)

児童発達支援との多機能型で、放課後等デイサービスだけを令和8年6月以降に追加した場合は、放課後等デイサービスの部分だけが特例の対象になります。

端数処理

割合を掛けるたびに小数点以下を四捨五入します(留意事項通知 第一の1(1)①)。

  • 定員10人以下・時間区分1:574 × 982/1000 = 563.668 → 564単位
  • 定員10人以下・時間区分2:609 × 982/1000 = 598.038 → 598単位

届出

単位数が増える届出は、毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月から算定できます。令和8年6月以降に指定を受ける事業所は、改めて令和8年6月からの基本報酬の算定区分の届出を行うこととされています(留意事項通知 第一の1(4))。対象となる事業所の範囲や様式は、指定権者に確認してください。

試算例

定員10人、月22日営業、平均利用率90%(延べ198人日)、医療的ケア区分に該当しないお子さんだけと仮定します。1単位10円で計算します。

前提 単位数 月の基本報酬
既存事業所・時間区分1 574 574 × 198 × 10円 = 1,136,520円
既存事業所・時間区分2 609 609 × 198 × 10円 = 1,205,820円
令和8年6月以降の新規指定・時間区分1 564 564 × 198 × 10円 = 1,116,720円

新規指定の場合、時間区分1の同じ条件で月19,800円少なくなります。1単位の単価は地域区分で変わり、放課後等デイサービスは10円から最大11.20円、主として重症心身障害児を通わせる事業所は最大11.52円です。

時間区分は、収入から逆算して決めるものではありません。お子さんごとのアセスメントで支援内容を決め、それに要する時間を計画に書きます。

よくある間違い5つ

  1. 授業終了後に時間区分3を算定している。 平日は時間区分2までです。3時間を超える分は延長支援加算として計画に位置付けます
  2. 事業所の都合で短くした日も、計画の時間区分で請求している。 実際の時間の区分になり、30分未満なら算定できません
  3. 送迎の時間を提供時間に含めている。 含めません
  4. 開所時間減算を授業終了後にもかけている、または休業日にかけ忘れている。 区分イでは休業日だけが対象です
  5. 共生型や基準該当で新規指定を受けたのに、1000分の982で請求している。 共生型・基準該当には特例が適用されません

まとめ

  • 時間区分があるのは区分イだけ。ロ・ハ・ニは授業終了後/休業日で決まる
  • 時間区分3は休業日のみ。平日に3時間を超える分は延長支援加算
  • 時間区分は計画に定めた標準的な時間で判定。具体的な時間を書き、送迎は含めない
  • 令和8年6月以降の新規指定は区分イの1000分の982。共生型・基準該当、主として重症心身障害児の事業所などは対象外
  • 合併・分割・多機能型・定員増などは、Q&Aで扱いが分かれる

届出の様式や時期、新規指定に当たるかどうかの判断は、指定権者によって運用が異なる場合があります。事前に所管の指定権者へご確認ください。